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LOVE 絵本


なにしろ絵本好きな2人が事務所にいるもので
よく絵本トークに花が咲きます。

普段は、こんな絵本知ってる?とか
こんな絵本見つけた!とか
好きなものについて語る事が多いのですが
ここ最近は、ある作家さんを中心に
話し合うことが多いのです。




僕・那珂の相棒である、やまだなおとくんは
デザイナーでもありイラストレーターでもあり
専門学校の講師でもあり、そして
絵本作家でもあります。

そんなやまだくんがある日
「ちょっと、この絵本を読んでみてほしい」と。
「どう思うか意見を聞きたい」と。
一冊の絵本を紹介してくれました。
大人気というその絵本は
たしかに名前は聞いたことがあるものの、
未読のものでした。
はじめて読む作家さんの絵本です。

絵本愛があふれるやまだくんが
絵本を紹介してくるのは、僕の楽しみのひとつで
いつもワクワクとするのです!
でも、今回はいつもと少し感じが違います。

だけれど読んだ感想は
いい話だなぁと…と普通に感動したのです。
ドライアイ気味の僕の目がうるおうのがわかります。
でも、この絵本は買わないな、と思いました。
積極的に買いたくないな、と強く思いました。
絵やクォリティの好き嫌いもあるのですが
一番は「こどもとは一緒に読みたくない」。
そういった内容に感じたからです。

ぼくは自分のこどもたちといろいろな絵本を読んできました。
そして、いまでも月に数回程度ですが
小学校に行って、絵本をこどもたちに読んでいたりもします。
同じように好きな絵本でも
自分のこどもたちと並んで読むのと
小学校で1対多数で大勢のこどもたちに向けて読むのとでは
コミュニケーションの仕方が違います。
そう、僕にとっての絵本の本質とは
こどもたちとの大切なコミュニケーションを
はぐくむ時間なのです。

一緒にどきどきしたり、ワクワクしたり
新しい発見や冒険をしたり
楽しいあたたかい時間を一緒にすごすもの。
それが僕にとっての絵本なんです。

だから、こどもたちとどんなコミュニケーションが生まれるのか?
それを大切にして読む本を選んでいます。
たとえば、写真にある「がいこつ」という絵本。
詩が谷川俊太郎さん、絵が和田誠さんと
もうそれだけでおもしろそう!という作り手による絵本。
僕はこの絵本が大好きなのですが
小学校で読むときには、一度も持っていったことがありません。
自分のこどもたちとは、普通に一緒に読みます。

なぜか?
それはこの絵本が「死」をテーマにしているからです。
もちろん、とてもやわらかくあたたかく描かれているので
この本を読んで、こわい…と感じる人は少ないと思います。
むしろ、ちょっとユーモラスに感じるかもしれません。
でも、そのユーモアがどう伝わるかが、わからない。
「死」がどう伝わるのかが、わからない。
だから、肌が触れ合うくらいの関係性があれば一緒に読みたいけれど
初対面のこどもたちとは読みたくないな…、そう思っています。

死をテーマにするのがダメとか
こどもがどう感じるかわからないものがダメとは思いません。
人の感じ方は、人それぞれだし
僕が楽しいものでも、悲しくなる人もいるでしょうし。
僕がどういった時間をこどもたちと過ごしたいのか?
それを考えて絵本を選んでいます。
写真の「かないくん」という絵本も死をテーマにしているし
ここには並んでいないけれど「おじいちゃんがおばけになったわけ」
という絵本も大好きな絵本です。
読むと顔中がびちょびちょになるほど
なみだも鼻水もでちゃうのですが…。




ここ最近、話題のテーマになる作家さん。
その方の絵本が良いとも悪いとも思いません。
良い悪いなんて主観でしかないから
そもそも良いものも悪いものもない、というのが僕の考えなので。
そして多様であってほしいと思うので
その作家さんがいてほしい、とも思います。

そして、僕が決して買わないであろう
その絵本を読んだことで
僕はこれまで以上に絵本のことを考えて
そうして、こうした投稿もしちゃったりしています。
これは、この作家さんとこの絵本と出会えたからこそです。
その出会いに感謝しつつ
でも、やっぱりこどもたちとは読みたくないな…
そう思うのです。

身体は食べたものでつくられていきます。
自分で食べものをまだ選べない、小さなこどもの食事は
親や保護者が慎重に大切に選んでいると思います。
心は経験でつくられていきます。
まだ、自分で経験を選べないうちは
周りの大人たちによって、
こどもの経験が決まってしまうことが多くあります。
だから、こども心を育てることにつながる絵本は
大切に選びたい。
もちろん、よい絵本なんて呼ばれてるものだけじゃなくって
いろんなものがあった方がいい。
写真の「うんちっち」なんて、
うさぎのこがずーっと「うんちっち」と言い続ける
とてもばかげた…愛すべきばかげた本です。
(どうやら絶版になっているようで、残念…)

でも、今回のきっかけで
絵本は選ばずにして選ばれてしまう、ということも学びました。
僕は絵本作家では、まだないけれど
同じくものを生み出す人間として
選ばなかった人たちにも届くメッセージを発信している自覚を持って
デザインに向き合っていこう!そういう新たな決意を胸にしました。

だいぶ、話にまとまりがありませんね。
それほど、いろいろな想いがあるテーマと
お感じいただければ。。

ひとつの絵本、ひとりの絵本作家さんを中心に
こんな絵本トークをしている僕たち。
SHIMAUMA DESIGNの事務所に来て
ぼくたちと一緒にこんな絵本トークを楽しみませんか?

2018.3.2
Diary