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頭を下げるな 〜D39未掲載より〜

d39

38歳の時に「D38」というzineを作りました。
僕が仕事を通して思うことを
年齢にちなみ38編のテーマで綴った本です。
38歳のデザイナーで「D38」です。
詳しくはこちら

今年、「D39」を出しました。
39歳になったから、また新しく39のテーマで。
たとえば、このようなテーマがあります。

 3.効率とクォリティ
 4.ハッピー時限爆弾
 5.お客様は神様じゃない
 9.品
 12.頑張ってるを言い訳にしない
 14.コンペきらい
 15.ターゲットって言葉がいや
 21.組み立てたものを壊す
 22.もちベーコン
 28.ええじゃないか運動
 30.放射能
 31.広告はもういいかな
 32.想いアウトプット
 33.デザインはパワー増幅装置
 39.愛
 などなど…

その一遍をご紹介すると、このような感じで…

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ターゲットって言葉がいや
広告で、訴求したい対象をターゲットという。この表現に対する違和感がだんだん大きくなってきて、今はなるべくターゲットって言わないようにしている。
 たしかに何を狙うか、どこを狙うか、というのはある。でも訴求したい相手をマトとして認識するのってどうなんだろう。同じように、何かの広告では、僕もそのマトとして狙われているのかもしれない。なんか気分が良くない。
 最終的に伝えたい人のことを思った時、それが自分の大切なひとであったり、だれかの大切な人であったりする。あのおじいちゃんかもしれないし、あの子どもかもしれないし、あの学生さんかもしれない。
 それはターゲットやマトではない。僕は「伝えたい人」って呼んでる。
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このD39を作るためのテーマ候補は100本以上ありました。
中には、文章も書いたんだけれど
その後にもっと掲載したいのが出てきて
掲載を見送ったものも。
そう、未掲載の文章がいくつもあるのです。
D39の「あとがき」でも触れていますが
このブログが出来たら
その未掲載のものを、せっかくだからご紹介したいなって。
今回、栄えある未掲載1本目の紹介はこちら!
「頭を下げるな」です。どうぞ。

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頭を下げるな
絶対に頭を下げない、というわけではない。自分が悪い時には素直に謝った方がいい。責任問題を恐れて、謝れない人を見るけれど、たいていはよりこじれる。自分のより大切なものを守る際も、僕は頭を下げる。自分の安っぽいプライドを守るために頭を下げず、何度も失敗してきたから。
 普段は必要以上にぺこぺこしてる僕だけれど、デザイナーになってから「仕事をください」と頭を下げたことはない。それは前職の社長の教え。僕はお客さんとはイーブンの関係だと思っている。僕のデザインや問題解決の能力を買って頂いているのだ。僕は報酬を頂くけれど、お客さんには、それ以上のものをお渡しする。
 「仕事をください」と頭を下げた時、僕の仕事のスタンスは維持できなくなると思う。もちろん、デザイナーになりたての頃からそう思っていたわけじゃない。はじめは社長に頭を下げて仕事をもらってくるなと言われて、訳もわからずそうしていた。実力が伴わない時は頭を下げたい時もあった。でも禁止事項としてやらなかった。15年たって、頭を下げずに来て良かったな、と少しだけ思えるようになった。
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このような、デザイナーが考えていることが
ぎっしり39編つまった「D39」。
イベント時など¥390で販売もしております。
もし、ご興味ある方はご連絡くださいませ。
(あ、D38は¥380です 笑)

D38シリーズは、僕のライフワークとして
毎年1冊づつ、発行していきます。
来年はD40。
D50やD60を出した時に、D38を読んだ自分はどう思うんだろう?
というのが今から楽しみ。

ちなみに写真はD39の表紙に使用したもの。
大好きな小説「かもめのジョナサン」をイメージして。
あのくらいストイックになりたくて。

2014.12.16
Diary


先生からのメッセージ

先日、担当していた今年の授業が全て終わりました。
僕は週に1日だけ先生をやっています。

僕の母校でもある専門学校
北海道芸術デザイン専門学校でイラストレーション専攻の学生たちに
デザインを伝えています。
イラストの技術は僕から伝えられることはほとんどなくて
なぜ、その絵を描くのか、という目的だったり
発想の仕方だったり
絵の見せ方だったりを伝えています。
どんな授業をしているかは
実際に入学して授業を受けていただくとして 笑
(あ、まだ来年の予定はまだ決まっていないんだった…)

最後の授業で学生のみんなに伝えたことは
僕からの若い人へのメッセージでもあるので
いくつかを。

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ひとつめ。
先生からの評価なんてクソ喰らえ!

言葉が汚いですね。すみません。
評価なんてうんこ食べてください!です。
授業をしていると評価を気にする人が多いな、と思う。
もちろん作ったものの現状の立ち位置を知るためには
役立つのかもしれませんが
それを基準にしてほしくはないです。
みんな自分の能力を上げるために学校に来たのだから
現状できることで、きれいなもの、いい点数を取るのじゃなく
もっとチャレンジしてほしい。
新しい画材を使ってみたり、違う表現にしてみたり、前回のより良くしたり…
挑戦できることはさまざま。
その挑戦した経験が大きな財産になる。
それに比べれば先生からもらういい点数なんて、と思うのです。

もっと言うと…
学校と言うのは、お金を払って2年間なり、4年間なりの時間を買っているのですが
何の時間を買っているのか?
僕は、「心おきなく失敗できる時間」だと思っています。
就職すると、誰かからお金を頂きます。
もちろん、一切失敗できない…というわけではないけれど
やっぱり失敗の幅は狭くなります。プロですからね。
でも学生の間は、お金を払って失敗できる。
そこで、小さくまとまってきれいな作品を作るのって
どれだけ意味があるんだろう?

もっともっと挑戦しよう!
失敗しましょう!失敗大歓迎!失敗バンザイ!
最悪大失敗しても
点数が下がったり、先生からなにか言われるだけ。
むしろ楽しい失敗をするために、僕らを利用してほしいです。

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ふたつめ。
続けてほしい!

絵が好きなら、デザインが好きなら
描き続けてほしい。作り続けてほしい。
そのために、専門職に就くのはもっとも手っ取り早いけれど
別にイラストレーターやデザイナーになるのが全てではなくって。
むしろデザイン的思考を持った人が
いろんな業界に行く方が、社会は豊かになる。
どこにいても描き続けて作り続けてほしい。

継続は力なり。
昔から言われているけれど、本当にそう。
この年齢で、やっとわかりました。

続けると、必ず力がつく。
隣の人よりうまくなれるかはわからないけれど
昨日の自分、1ヵ月前の自分、1年前の自分は
必ず追い越せる。
自分を越えていこうぜ!

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みっつめ。
自分を愛してください!

もう、イラストでもデザインでもないです 笑。
でも究極的に、僕が伝えたいのはこのこと。
自分のことを大切にしてほしい。

自分のことだと
心や体を傷つけてもいいや…と思う人がいるけれど
友達や恋人や小さな子どもや家族や…
あなたが大切に思っている人を大事にするように
あなたの心も体も大切にしてほしい。

僕は「自分」「心」「体」のみっつで僕が出来ていると思っていて
そのみっつは手をつないでいて。
「体」がかぜをひくように、「心」もかぜをひくこともある。
真冬に裸で外に出る人はいないけれど
もっと厳しい環境に裸の「心」をさらす人はいっぱいいる。
体が疲れたら栄養取ったり、休んだりするように
「心」にもそれが必要。

「心」も「体」も調子をくずすこともあるけれど
手をつないでいるから、大丈夫。
健康な方が支えてくれる。
もし、「心」と「体」両方が倒れたら…
そんな時はじっとして回復するのを待っていてほしい。
残された「自分」はほんとナイーブだから。

自分のことを大切に出来ない人が、僕はこわい。
自分というのは、その人の世界。
その世界を大切にできないと
相手のことも大切にできないから。
逆に、自分のことを大切に思うと
いかに周りから愛されているか気が付く。
愛は内に満ちているって。
承認欲求はもちろんわかるけれど
誰かに認められる前に
自分が、自分を認めてあげましょう。

そこからだと思うんだ。
自分のこと、愛してください。
それがあれば、絵もデザインもできなくてもいいよ。

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こんな先生ですけど
もし来年も講師をやることになったら
授業でお会いしましょ。

2014.12.12
Diary